研究課題
本研究の目的は、膜タンパク質の配向と脂質膜の非対称性を同時に制御した固定化平面膜の調製法を開発し、脂質膜の非対称性が機能に関わる膜タンパク質の動態を高速AFM観察することである。AFM基板上での膜タンパク質の配向と脂質膜の非対称性の同時制御ができれば、膜タンパク質の機能動態に及ぼす脂質の非対称性の影響などについて分子レベルでの議論が可能になる。細胞膜のように裏と表で異なる脂質組成からなる非対称脂質二分子膜を構築するには、水と油の界面に形成した脂質単分子膜を二枚張り合わせる、液滴接触法が有用だと考えた。AFM観察には、試料サイズの制限がなく、また試料基板近傍の空間が広い探針走査型高速AFMを使うことにした。それによって、ガラスピペット等による液滴の操作を高速AFMの試料基板上で行いやすくなるためである。2019年度までに、液滴接触法によりAFM基板上で平面膜を調製することを試みた。探針走査型高速AFMの試料ステージ上で、マイクロマニピュレーターとマイクロインジェクターを用い、AFM基板上に均一な脂質薄膜を調製できた。しかし、探針走査型高速AFMの光学系が不安定という問題点があった。よって2021年度は、探針走査型高速AFMを、より動作が安定している試料走査型高速AFMに作り替え、安定動作できるレベルまで調整した。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (2件)
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