研究課題/領域番号 |
18K19424
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
小林 拓也 関西医科大学, 医学部, 教授 (20311730)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | 大腸がん / 転移 / 膜タンパク質 / 機能性抗体 / オルガノイド / 抗体医薬 / 創薬 / 構造解析 |
研究成果の概要 |
大腸がん発生と悪性化に関与する既知ドライバー遺伝子数種類を組み合わせて導入したマウスモデルを作製し、大腸がん細胞の悪性化形質や転移能獲得にはApc、Kras、Tgfbr2 変異の組み合わせが重要である。これらのドライバー遺伝子すべてに変異が蓄積した大腸がんオルガノイドは、複数の膜タンパク質の発現亢進が顕著である。また、shRNAによる発現抑制実験等から大腸がん悪性化進展機構に特定の膜タンパク質の機能・相互作用が必須であった。そこで、腫瘍組織を抗原として使うのではなく、大腸がん転移抑制のための創薬標的候補として挙げられた膜タンパク質を絞り込み、機能性抗体作製およびX線結晶構造解析を実施した。
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自由記述の分野 |
生化学、構造生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の目的は、治療薬の開発に強い社会的有用性のある「大腸がん」をモデルとした抗体医薬開発のための新しいシステムを立ち上げ、抗体医薬とターゲット分子の結合様式を原子レベルで理解するための技術基盤を構築する。一般的な創薬開発では、(1)標的分子を同定しアッセイ系を構築する、(2)リード化合物を探索し、(3)リード化合物の最適化を試みる。しかし、これら一連の過程は時間と労力がかかり成功する可能性も低い。そこで、抗体医薬の可能性のある抗体をスクリーニングし、「結晶化シャペロン」として構造解析に利用することで、新規抗体医薬の探索及びその分子メカニズムが解明され、抗体医薬の低分子化も実現可能となる。
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