研究実績の概要 |
前年度にFRET型蛍光プローブF-TAPPを用いてPI(3,4)P2の検出を行ったところ、外来性VSPを強制発現させていないoocyteにおいてPI(3,4,5)P3からPI(3,4)P2の酵素反応が極めて低いことが判明した。内在性脱分極依存性PI(3,4)P2増加を確認するため、Xenopus由来TPC3を用いて検証を行った。また内在性Xl-VSP1/2の関与を再検証するため、ドミナントネガティブ型VSPを構築に向けてVSP分子内相互作用部位の解析をおこなった。 1.TPC3による内在性活性の検出 PI(3,4)P2依存的活性化が報告されているXenopus由来TPC3(プラスミドを生理学研究所久保研究室より提供)をoocyteに発現させ、脱分極依存的な電流を解析した。既報通り、長い脱分極に依存して強制発現させたTPC3由来の電位依存的Na電流が活性化したことからツメガエル卵母細胞の内在性PI(3,4)P2増加活性が確認された。 2.ドミナントネガティブVSPの構築に向けた分子内相互作用の解析 N末端側にAnapを導入してVCF計測を行い、N末端側とVSD(電位センサードメイン)-PD(酵素ドメイン) linkerの間での直接相互作用がある可能性を見出した。また、S4-linker領域と酵素ドメインの間で直接相互作用があることを見出した。
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