関節リウマチ(Rheumatoid arthritis : RA)は最も罹患率の高い自己免疫疾患のひとつであるがその病態形成のメカニズムは未だ不明な点が多い。RAの骨破壊は関節部位のみならず骨内部でも認められ、後者は全身性の続発性骨折のリスクとなるがヒトでの解析が困難であるため骨内部の骨破壊機構は不明な点が多い。生物学的製剤は全身性の免疫抑制による副作用や効果が認められない症例の存在、骨内部の骨破壊を制御できないという問題を抱えており、これらの問題を解決するような治療法の開発が喫緊の課題である。 本研究では申請者独自の予備知見に基づいて、RAの関節部位ならびに骨内部に局在して骨破壊を誘導する新規悪玉細胞サブセットを同定し、病原性を司る分子基盤の解明ならびに新規治療標的分子を同定するという挑戦的な課題の達成を目的とする。本研究を通して、RA骨破壊の新規メカニズム解明と従来の治療法の課題を克服する革新的な骨破壊抑制法の開発を目指す。 初年度にあたる当該年度では本研究課題の推進に必要な種々の遺伝子改変マウスの作製を行った。
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