研究課題/領域番号 |
18K19442
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
濱崎 洋子 京都大学, iPS細胞研究所, 教授 (10362477)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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キーワード | 胸腺 / 中枢性自己寛容 / ハッサル小体 / 胸腺髄質 |
研究成果の概要 |
中枢性自己寛容を担う胸腺髄質に存在するハッサル小体(HC)を形成する髄質上皮が恒常的に細胞老化をきたし、SASP因子としてCXCL5やIL-1ファミリーなどの炎症性サイトカインを恒常的に発現すること、また全身性自己免疫疾患モデルマウス(NZB/W F1)がHC過形成を起こし、胸腺内好中球とpDC、およびT細胞が恒常的に高い活性化レベルにあることが分かった。抗Gr-1抗体を投与し、CXCL5に反応すると想定される好中球を除去するとpDCの活性化とtype I IFNの産生が抑制された。以上の結果から、HCの過形成により胸腺内でT細胞が活性化され、自己応答の起点となりうる可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HCを構成する髄質上皮細胞を純化しその遺伝子発現の特徴を明らかにすることで、長らく組織学定義にとどまっていた胸腺髄質のHCを分子細胞レベルで定義することができた。また、自己免疫疾患モデルマウスにおいてHCの過形成や低形成が認められること、HCの過形成が胸腺内好中球やpDCを活性化し、おそらくはそれを介して胸腺内でT細胞が活性化している可能性を示唆することができた。本研究は、自己免疫疾患発症メカニズムの解明とその介入方法開発の一助となることが期待される。
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