研究課題/領域番号 |
18K19447
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
黒崎 知博 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任教授(常勤) (50178125)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | PI3キナーゼ / ケミカルジェネティクス / 時空間制御 / 可逆的阻害 / メモリーB細胞 |
研究実績の概要 |
特定の遺伝子の活性を、「ある時空間のみ変異させ」、将来どのような効果をもたらすかの検定の重要性は言うまでもない。例えば、B細胞の場合胚中心(GC)反応を経て、メモリー細胞が形成されるわけであるが、GCの過程で生じる変化が、メモリー細胞機能にどのような影響を与えるかは非常に重要な命題にもかかわらず、この命題へのアプローチが困難を極めている。ある酵素の阻害剤は、in vivo投与した場合、その特異性を十分に担保さすことが非常に困難である。又、個体の中で、どの細胞の酵素を阻害して、表現系が表出しているのかを特定できない。従って、その結果の解釈に常に疑義がはさまれることになる。この特異性の点を克服するために、本研究では酵素遺伝子サイドに変異を加え、この阻害剤の特異性を飛躍的に上昇させ、この変異遺伝子と新規阻害剤の組み合わせで、可逆的in vivo阻害をおこなおうとするものである。具体的には、変異PI3Kを特異的に阻害する低分子化合物のスクリーニングを行ったが、目的の化合物をえることはできなかった。従って、strategyそのものを変えることにした。すなわちP13Kdeltaの下流で、生物学的に重要な機能を担っているmTORC1をターゲットにしてはどうかというアイデアである。mTORC1は低分子化合物rapamycinによって阻害されるが、このrapamycinによって阻害を受けない変異mTORC1が存在することを見つけ、実際に培養細胞レベルで変異mTORC1を発現さすとrapamycinにより阻害がかからないことを確かめた。現在、このmTORC1変異体のtransgenic mouseの作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初のstrategyを変更することにより、スムースにrapamycinで阻害のかからない変異mTORC1を同定することができた。現在変異mTORC1 transgenic mouseを作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
必要な実験材料も樹立しているので、予定どおり、個体レベルでPI3Kdeltaの下流で重要な酵素mTORC1の可逆的阻害の行えるマウスを用いての研究を行うようにする。
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