研究課題
本研究においては、まず最初にスプライスペプチドデータベースを改良し、遺伝子変異をもつスプライスペプチドだけでなく、遺伝子変異をもたないスプライスペプチドもスクリーニング可能なオリジナルのデータベースを開発した。マススペクトル解析法を用いたヒト大腸がん細胞株のHLA class Iリガンドーム解析によって、変異型スプライスペプチド2種類と非変異型スプライスペプチド3種類を同定することに成功した。これらの合成ペプチドを用いてヒト末梢血リンパ球を刺激し、ペプチド特異的細胞障害性T細胞(CTL)の誘導を試験した結果、2種類の非変異型スプライスペプチドについて、抗原特異的CTLの誘導を確認し、CTLクローンを得ることに成功した。さらに、これらのCTLクローンが大腸がん細胞に対してHLA拘束性に特異的に反応することを証明した。また、スプライスペプチド産生の分子機序を解明するために、プロテアゾーム依存性ペプチドと非依存性ペプチドを設計し、CTLクローンの反応性を解析した。また、プロテアゾーム阻害剤を用いて、CTLクローンの反応性を解析した。その結果、スプライスペプチドはプロテアゾーム依存性に産生されていることを明らかにした。スプライスペプチドの親遺伝子は、さまざまな正常細胞にも発現している遺伝子であるにも関わらず、正常組織のリガンドーム解析でスプライスペプチドは検出されないことから、がん細胞に特異的なスプライスペプチド産生機序の可能性が示唆された。本研究成果について、がん免疫療法としての特許出願を準備中。また、研究成果は国際医学雑誌に論文投稿中である。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 8件)
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