研究課題/領域番号 |
18K19458
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
鳥越 俊彦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20301400)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | がん抗原 / スプライスペプチド / プロテアゾーム / 抗原提示 / がんワクチン / がん免疫療法 / T細胞 / HLA |
研究成果の概要 |
HLA Ligandome解析法を改良し、de novoシークエンス法によって野生型タンパク由来スプライスペプチドの同定に成功した。健常人末梢血T細胞を刺激したところ、スプライスペプチド特異的CTLが誘導され、2種類のCTLクローンを樹立した。野生型タンパク由来スプライスペプチドは、高い免疫原性を有していることが証明された。 スプライスペプチドの産生機序を解析するために、minigeneを遺伝子導入してスプライスペプチドの産生を検証した。また、プロテアソーム阻害剤を用いてスプライスペプチドの産生を解析した。その結果、スプライスペプチドはプロテアソーム依存性に産生されているとの結論を得た。
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自由記述の分野 |
分子免疫病理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で最大の学術的意義は、ヒト大腸がん細胞から新規スプライスペプチドを同定し、抗原特異的CTLクローンの樹立に成功した点にある。親タンパクはがん細胞だけでなく、正常組織にも発現しているハウスキーピング分子である。それにも関わらず、スプライスペプチドの高い免疫原性が確認されたことは、この分子のスプライスががん細胞特異的に生じている可能性を示唆する結果であり、遺伝子変異に依存しない新しいネオアンチゲンの産生メカニズムとして大きな細胞生物学的意義がある。また、患者に共通して適応されるネオアンチゲンワクチン創薬に貢献することが期待され、今後がん予防ワクチンの実用化にも道が拓かれる可能性もある。
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