研究課題/領域番号 |
18K19461
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
北村 大介 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 教授 (70204914)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | 自己抗体 / 自己寛容 / 自己免疫疾患 / IgA腎症 |
研究成果の概要 |
自己寛容機構にも拘わらず、自己免疫疾患において自己反応性B細胞が抗体産生に至る理由は不明である。最近、自己反応性胚中心B細胞が他のB細胞の自己寛容を破る、脱寛容の伝播というべき現象が見出された。そのメカニズムを解明するべく、IgA腎症モデルであるgddYマウスを用いて研究した。このマウスは加齢とともに血中に腎糸球体タンパクに結合するIgA自己抗体が産生され、それが認識するタンパクの種類が次第に増加していくことを見出した。また、腎臓には体細胞超突然変異を有したIgA陽性形質芽細胞が蓄積し、これは抗生物質投与により消失した。常在細菌からの持続的刺激が脱寛容の伝播を引き起こす可能性を示した。
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自由記述の分野 |
免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SLE等の全身性自己免疫疾患では、血清自己抗体の種類が次第に拡大していく現象(epitope spreading)が知られている。これは、抗原の異なる自己反応性B細胞が次々に寛容を脱して活性化するものと解釈され、上述の脱寛容伝播という現象はこれをうまく説明できる。この脱寛容伝播現象のメカニズムの解明は自己免疫という免疫学的の中心課題の進展に繋がり、また、自己免疫疾患の進展を抑える治療法の開発にも繋がると思われる。
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