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2018 年度 実施状況報告書

マウス胎仔単離肺上皮器官培養による小細胞肺癌モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K19480
研究機関熊本大学

研究代表者

伊藤 隆明  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (70168392)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2021-03-31
キーワード小細胞肺癌 / マウス胎仔肺 / 器官培養 / Rb1変異 / p53変異 / Notchシグナル不活化 / オルガノイド発癌
研究実績の概要

本研究の目的は、遺伝子改変マウスを用いて、小細胞肺癌モデル( genetically engineered mouse model: GEMM)の開発、胎仔肺から上皮を単離し3D器官培養系の確立、さらにGEMM胎仔肺由来の肺オルガノイドからの小細胞発癌形成の実験系の確立を目指しています。このため、本研究の計画プロセスは、1)器官培養系による3D肺形成モデルの開発、2)小細胞肺癌を目指したgenetically engineered model mouseの開発、3)肺オルガノイド器官培養系と小細胞肺癌のGEMMを用い、小細胞肺癌のin vitroの3D発癌モデルの開発からなります。3年間の科研費期間で、こららの確立を試みたいと考えています。この研究モデルにより、ゲノム編集技術や小分子化合物などを用いて、小細胞肺癌の発生の分子機構解明や、治療標的分子の解析、再発モデルへの展開などへの基盤研究としたいと期待しています。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2018年度の目標は、1)器官培養系による肺形成モデルの開発、2)小細胞肺癌を目指したgenetically engineered model mouseの開発と確立を目指しました。1)に関しては、Sox9陽性領域ののマウス胎仔肺末梢上皮の単離培養を試みました。無血清添加で、FGF7を投与ることにより、単離肺上皮は、嚢胞性の構造を形成し、培養7日より嚢胞からbuddingが起こり、更にこれらは培養14日で肺胞様の構造を呈しました。これら肺胞様構造は、RT-PCR、免疫染色および電子顕微鏡観察より、1型および2型肺胞上皮から成りますが、Sox2の発現は無く、神経内分泌細胞を含む気道上皮系の細胞は出現しませんでした。2)については、p53遺伝子欠損成体マウスに、肺特異的にdoxycycline誘導Rb遺伝子不活化あるいはNotchシグナル不活化の影響について、検討しましたが、神経内分泌細胞の増生病変は得られませんでした。更に、Rb遺伝子不活化およびNotchシグナル不活化状態にすることで、肺内に多数の上皮内増殖性病変を観察できました。これら病変は、INSM1(+), Ki67標識率20%であり、低悪性度の神経内分泌癌でした。

今後の研究の推進方策

2018年度中に、低悪性度の神経内分泌癌モデルの作成を成功しましたので、更に、oncogenicは刺激を加えることで、小細胞肺癌GEMMの確立を試みます。取りあえず、この低悪性度神経内分泌癌モデルを用いての、胎仔肺のin vitroでのオルガノイドを作成しつつ、神経内分泌癌の3D神経内分泌腫瘍発癌実験系の確立を目指します。2019年度中には、小細胞肺癌GEMMの確立と、低悪性度の神経内分泌癌のオルガノイド発癌実験系の確立を目指します。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Alveolus-like organoid from isolated tip epithelium of embryonic mouse lung.2019

    • 著者名/発表者名
      Seiji Y, Ito T, Nakamura Y, Nakaishi-Fukuchi Y, Matsuo A, Sato N, Nogawa H
    • 雑誌名

      Human Cell

      巻: 32 ページ: 103-113

    • DOI

      doi.org/10.1007/s13577-019-00236-6

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2019-12-27  

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