線維芽細胞の有無によるがん細胞の浸潤様式を検討した。その結果、1)線維芽細胞存在下においては、ECM に沿ってがん細胞が浸潤すること、2)線維芽細胞の存在により、がん細胞の浸潤が促進していること、が明らかになった。次に、線維芽細胞存在下と非存在下におけるがん幹細胞(Podoplanin陽性)の浸潤について検討した。線維芽細胞非存在下において、がん幹細胞と非がん幹細胞の浸潤に差を認めなかった。しかしながら、線維芽細胞存在下において、がん幹細胞は非がん幹細胞と比較して高い浸潤能を示した。これらの結果から、がん幹細胞と線維芽細胞の間に、がん幹細胞の浸潤を促進する相互作用が存在している事を示唆された。
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