研究課題/領域番号 |
18K19493
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂本 雅行 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (00777865)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | カルシウムイメージング / 遺伝的改変マウス / 2光子励起顕微鏡 / 多色イメージング |
研究実績の概要 |
カルシウムセンサーを用いた生体活動イメージングでは現在、アデノ随伴ウイルス(AAV)による遺伝子導入法が最も一般的である。しかしながら、AAVを用いた遺伝子導入法では、発現レベルがheterogeneousであることや細胞毒性などの問題があり、正確なニューロンの活動測定ができないでいた。さらにAAVでは、カルシウムセンサーの発現領域が局所的になるため、広域からの活動イメージングのための遺伝子導入法としても限界があった。本研究計画では、これら問題を解決するため、広域・多色活動イメージングが実現可能な遺伝子改変マウスの作製ならびに生体での評価をおこなった。 平成30年度は、抑制性ニューロンにFlp組み換え酵素を発現誘導可能なトランスジェニックマウスを用いて、大脳皮質の抑制性ニューロン特異的に高速・高感度な緑色カルシウムセンサーを発現誘導可能なマウスラインの樹立をおこなった。さらに作製したマウスラインは、2光子励起顕微鏡による生体カルシウムイメージングに使用可能であることを明らかにした。 また多色活動イメージングを実現するため、興奮性ニューロンに赤色カルシウムセンサーを発現誘導可能なトランスジェニックラインの樹立にも着手している。今後は新規トランスジェニックマウスの生体内における赤色カルシウムセンサーの発現レベルおよび部位を調べ、2光子励起顕微鏡を用いた生体活動イメージングに最適なラインのスクリーニングをおこなう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度の目標であった、抑制性ニューロン特異的に緑色カルシウムセンサーを発現誘導可能なマウスラインの樹立ならびにそれらを用いた生体活動イメージングにも成功した。
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今後の研究の推進方策 |
多色活動イメージングを実現するため、興奮性ニューロン特異的に赤色カルシウムセンサーを発現誘導可能なトランスジェニックラインの樹立に着手している。今後は新規トランスジェニックマウスの生体内における赤色カルシウムセンサーの発現レベルおよび部位を調べ、2光子励起顕微鏡を用いた生体活動イメージングに最適なラインのスクリーニングをおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
トランスジェニックマウス作製等にかかった費用の請求が次年度になるため。
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