研究課題/領域番号 |
18K19494
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
田中 光一 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80171750)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | ゲノム編集 / 神経活動 / ゲノム記録 |
研究実績の概要 |
脳の情報処理機構を解明するためには、脳を構成する全ての神経細胞の活動を経時的に長期間記録し、機能との対応を解析することが必要不可欠である。しかし、現在使われている神経活動の記録法には欠点があり、脳を構成する全ての神経細胞の活動を長期に亘り記録することができない。本研究では、Cas9の発現に神経活動依存性を持たせることにより、神経活動の履歴をstgRNA (self-targeted guide RNA)発現カセット上のindelとして記録し、今まで困難であった脳を構成する全ての神経細胞の活動履歴を記録できる系を開発する。 C6グリオーマは、ATPを投与することによりc-fosの発現が上昇する細胞株である。本年度は、C6グリオーマのc-fos遺伝子座の3'末端非翻訳領域に2Aペプチドを介し、Cas9をノックインした細胞株を樹立した。樹立した細胞株に、CMVプロモーター(CMVp)の下流にTetR(tetリプレッサータンパク質)をつないだベクターを導入し、c-fos依存性にCas9を発現し、なおかつ、tetRを恒常的に発現している細胞株を樹立した。樹立した細胞株に、tetオペレーターDNA配列を含むRNA polymerase IIIのH1プロモーター(H1p-1xTetO)の下流にstgRNAをつないだベクターを導入した細胞株を樹立した。現在、ATPとドキシサイクリン(Dox)を添加することによりstgRNA上にindelが起きるかどうか、T7 E1アッセイにより確認中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験計画通りの遺伝子を導入した細胞株を樹立した。しかし、その細胞株がc-fosの発現上昇の程度の違い依存し、stgRNA上にindelを起こすかどうかのdeep sequenceによる確認をしている最中である。
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今後の研究の推進方策 |
細胞株が、神経活動をDNA上のindelとして記録することを確かめる。以下の3系統のマウスを作成し、交配することにより神経活動をゲノム上に記録できるマウスを作成する。 a.c-fos遺伝子座にCas9をノックインしたマウス b.β-actin遺伝子座にH1p-1xTetO-stgRNAをノックインしたマウス c.CamK2遺伝子座にTetRをノックインしたマウス 作成したマウスにドキシサイクリン入り餌を投与し、PTZでてんかん発作を誘発し、脳の各部位からDNAを抽出し、stgRNAノックイン部位をPCRで増幅し、deep sequenceによりindelが起きている割合を解析し、神経活動がゲノム上に記録されているかを明らかにする。
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