研究課題
社会的なストレス、例えば、学校や会社でのいじめや理不尽な扱いで心身を病み、社会不安障害になるヒトは多い。本助成のサポートを受けて、本研究では2つの研究を遂行した。まず、社会不安にかかわる大脳基底核回路を同定するために、ヒトの「社会不安障害」に関連する遺伝子の解析を行った。特に、社会不安に関連する遺伝子にかかわる蛋白質の相互作用を調べるインタラクトーム解析を行った。全般性不安障害と社会不安障害のインタラクトームは、線条体とマトリックスという2つの異なる線条体コンパートメントのインタラクトームと排他的かつ統計的に有意なオーバーラップを示すことが分かった。こうした社会不安障害のインタラクトーム解析を拡張させて、ほかの脳領野のインタラクトーム解析との相関を取ると、扁桃体などが特徴的な脳領野として現れた。以上のことから、社会不安障害の神経過程にかかわる細胞群や神経回路の同定・推定を、関連遺伝子の相互作用の推定した。次に、対象とした神経回路の人為的な活動操作を行う技術基盤を固めるために、化学遺伝学による、大脳基底核回路の経路選択的な操作の技術開発を行った。
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Proc. SPIE, Integrated Sensors for Biological and Neural Sensing
巻: N/A ページ: N/A
10.1117/12.2583029
Science Advances
巻: 6(39) ページ: eabb9226
10.1126/sciadv.abb9226