研究課題
良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん(benign adult familial myoclonic epilepsy, BAFME)は、手指の振戦様ミオクローヌスと希発性てんかんを主徴とする常染色体優性遺伝疾患である。これまでの我々の研究から、8番染色体に連鎖する家系(BAFME1)の原因は、SAMD12のイントロン4に存在するTTTTAリピートの伸長並びに、TTTCAリピート配列の挿入であることが判明した。また、TNRC6A、RAPGEF2のイントロンに存在するTTTTAリピート伸長並びにTTTCAリピート伸長配列の挿入により、類似の疾患を引き起こすことが明らかとなり、それぞれBAFME6、BAFME7と名付けた。健常者の検討では、稀にTTTTAリピート伸長を有することから、TTTTAリピート伸長よりはTTTCAリピート伸長配列の病原性が疑われている。本研究では、TTTCAリピート配列とTTTTAリピート配列の細胞内における挙動、毒性の違いにfocusして検討を行うことを目的としている。本年は、準備段階として、TTTTAリピートとTTTCAリピート配列のベクターへのクローニングを行った。リピート配列のクローニング過程における不安定性があり難しい点もあったが、recursive directional ligation (RDL)法を用いることで、それぞれ14リピート、24リピート、44リピート相当のクローンを単離することに成功した。今後、細胞内で発現させる系を確立することを目指す。
2: おおむね順調に進展している
コンストラクト作成を進め、早急に培養細胞を使用した研究に移行する予定である。
培養細胞における発現リピートRNAの挙動について検討を行う。
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