研究課題
非侵襲的言語マッピング法の開発を目指して研究を推進した。言語優位半球に頭蓋内電極を留置した難治部分てんかん患者のうち研究に同意を得た者を対象に以下を行った。中核言語ネットワークの参照データ作成において、ネットワーク地図のための皮質皮質間誘発電位(CCEP)の波形パターンの分類と解剖学的分布について明らかにした(論文準備中)。術中の低頻度刺激介入によるCCEP計測から、背側と腹側言語ネットワークの結合様式を同定し、下側頭回の前後軸で機能・結合の両面から勾配が存在することを明らかにした(論文公開1報)。そして術中麻酔下でもCCEPによる結合様式が同定でき、より低侵襲な低頻度刺激による術中言語マッピングの可能性が示された(論文公開1報)。またCCEPの網羅的解析から全脳での機能的結合様式を検討し、中核言語野の機能結合的特徴を明らかにし、言語野特定に繋がる可能性を示した(国内学会発表)。高頻度電気刺激による言語マッピングの結果より、側頭葉底面言語野の脳回ごとの機能分化、及びコア領域を明らかにした(国際学会発表、論文準備中)。また刺激介入による複数の言語課題を用いた言語マッピング結果の主成分分析から中核の言語機能を抽出し、前方・後方・底面言語野間及び各言語野内での機能分化を明らかにした(国内学会発表)。皮質電気刺激に替わる低侵襲的脳機能マッピング法として、運動関連の皮質脳波の脳律動解析の手法やCCEPを用いた補足運動野機能の術中モニタリング法を考案し(論文公開2報)、低侵襲言語機能マッピングの基盤の手法を確立した。刺激介入を用いない言語ネットワークの動態解析として、呼称課題下の皮質脳波に自然言語処理を応用し、言語情報と皮質脳波データの言語関連領域間のコヒーレンス解析により、単語レベルの意味情報から脳内での結合形式を推定し、各脳波律動ごとの有用性と動態を明らかにした(論文発表)。
すべて 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 3件、 招待講演 10件) 図書 (1件) 備考 (2件)
Clin Neurophysiology
巻: in press ページ: in press
Cereb Cortex
Clinical Neurophysiology
巻: 132 ページ: 1033~1040
10.1016/j.clinph.2020.12.022
Frontiers in Human Neuroscience
巻: 15 ページ: -
10.3389/fnhum.2021.635453
神経心理学
Japanese Journal of Neurosurgery
巻: 30 ページ: 106~114
10.7887/jcns.30.106
Cerebral Cortex
巻: 30 ページ: 4633~4650
10.1093/cercor/bhaa065
World Neurosurgery
巻: 138 ページ: e389~e404
10.1016/j.wneu.2020.02.129
高次脳機能研究
巻: 40(3) ページ: 250-260
巻: 29 ページ: 486~494
10.7887/jcns.29.486
https://www.med.kobe-u.ac.jp/sinkei/research/index.html
http://epilepsy.med.kyoto-u.ac.jp/research