研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究は、カドミウムフリー量子ドット-光増感剤複合体をPET核種とがん組織中で共存させることで、PET核種に由来する放射線およびチェレンコフ光による量子ドットの励起、それに次ぐ光増感剤の励起・光増感作用により、外部照射を必要としない治療法の確立を目的とするものである。この目的を達成するために、量子ドットのミセル内封、光増感機構を付与するとともに、PET核種である89Zrの可否とその両者による細胞傷害性について調べた。
核医学分野、がん医療分野
本研究は、診断用途で用いられてきたPETプローブを生体内でのシンチレーション作用に基づく細胞傷害の誘導・治療への応用を可能とする新技術の実証を主たる目的とするもので、これまでに同種の報告はない。一方で、PET施設は世界中に普及しており、今後さらにその供給は拡大していくものと考えられることから、本研究の目指す成果物に対する臨床的ニーズは高いと考えられる。