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2018 年度 実施状況報告書

炎症ストレスに起因したクローン造血の出現と進展

研究課題

研究課題/領域番号 18K19520
研究機関熊本大学

研究代表者

滝澤 仁  熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特別招聘教授 (10630866)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2020-03-31
キーワード造血幹細胞 / 炎症
研究実績の概要

近年のシークエンシング技術の進歩に伴い、段階的な遺伝子変異の蓄積が癌化の引き金となることが実証された。また、数理モデルによる疫学データ解析から、各臓器の癌化リスクは組織幹細胞の細胞分裂歴と強く相関することが示され、幹細胞から癌化に至るプロセスは内在性因子と環境因子の影響を受けることが示唆された。しかしながら、生物学的癌化プロセスにおける内在性・外因性因子の相対的寄与や時間的関係性については明らかとなっていない。
免疫・造血システムは骨髄内で非常にゆっくりと分裂する造血幹細胞により維持されている。白血病化の大きな要因として、この造血幹細胞への遺伝的変異の蓄積、それに伴うクローナル造血への進展および拡大がある(Steensma, Blood 2015)。近年、白血病関連の遺伝子変異を持つものの、白血病化する前の造血幹細胞、いわゆる“前白血病幹細胞”の存在が示されたため、本研究では炎症が前白血病幹細胞の出現や進展に与える影響について検討した。現時点では、造血幹細胞のクローン追跡を可能にするマウスの作製を行っている。少ない細胞でのクローン追跡を検討するため、DNAバーコードを組み込んだ細胞株を準備してシークエンスによりクローンの同定を試みた。その結果、1ー10万個の細胞数で500クローンを同定できる解析技術とインフォマティクスパイプラインを確立した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現時点では、細胞株を用いた細胞クローンの同定技術の確立にとどまり、モデルマウスを作製する途中であるため

今後の研究の推進方策

クローナル造血モデルマウスの作出のためには、トランスポゼースの一つであるHyper Sleeping Beauty (HSB)を条件的にROSA26座に発現させるマウスとDNAバーコードに続きGFPをHSB依存的に発現するマウスを作成する必要がある。後者のマウスは作製済みであるので、今後は前者のマウス作製に注力し、これらのマウスを交配してクローナル造血を追跡可能とするモデルマウスを確立する。その後、炎症有り無しでの造血クローン動態を評価していく。

次年度使用額が生じた理由

今年度の進捗が遅れているため、次年度で残りの予算を執行していく。具体的な計画としては、マウスの作製に伴う費用(ES細胞培養やクローニングのために必要な消耗品)、マウス交配とジェノタイプに必要な経費と試薬代、その後クローン造血を追跡する際に必要な分子生物学的ツールの購入や次世代シークエンス料金の支払いに振り向けていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 国際先端医学研究機構 幹細胞ストレス研究室

    • URL

      http://ircms.kumamoto-u.ac.jp/research/hitoshi_takizawa/

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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