研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究は、難病疾患であるミトコンドリア病の発症機序に基づき、ミトコンドリア代謝障害の抜本的改善につながる治療標的の創出を目的とする。研究期間中に、ミトコンドリアtRNAに病原性点変異を有する細胞株を用いて、ゲノムワイドスクリーニング系を構築した。また、スクリーニング結果をさらに検証した結果、ミトコンドリア病モデル細胞において、硫黄代謝に関わる遺伝子の抑制が硫黄代謝の改善ならびにエネルギー代謝の亢進につながることを見いだした。
生理学
本研究から、硫黄代謝に関わる遺伝子がミトコンドリア病創薬において有力な標的であることが示唆された。今後は同遺伝子の抑制が個体においてもミトコンドリア機能改善効果を有するかを検証するとともに、同遺伝子産物に対する低分子阻害剤の開発を進める予定である。これらの研究開発により、ミトコンドリア機能を根底から改善しうる薬剤の創出が可能となり、指定難病であるミトコンドリア病に新たな希望をもたらすことができる。