現在様々な疾患に関して病態解明が行われているが、好発部位を主眼とした病態解明は殆どない。特にIBDは炎症を主眼とした免疫制御破綻の観点からの病態解明が多くされてきており、実臨床においても免疫抑制療法が主流である。しかし、免疫抑制療法のみでは再燃が多く完治しないことが問題となり粘膜再生が重要視されるようになった。粘膜が再生すると上皮細胞による消化管バリアー機能が作動し再燃が抑制されることが提唱され、近年腸管上皮細胞の機能が注目されている。逆に言えば、ある特定の部位の上皮が破綻すればその部位が病変部になることを示しており、IBD好発部位における上皮破綻機能の解明が疾患克服に繋がると期待される。
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