2018年度にはHNF-4α活性化リガンドの探索を行うため、HNF-4α 結合により活性化されるルシフェラーゼリポーター細胞の安定細胞株を樹立した。また、HNF-4αの活性化後プロテアソーム分解を評価できるpCMV6-HNF-4α-GFP細胞を作成した。ただし、この細胞は安定株の作成には至らず、トランジエントトランスフェクションによる評価系となった。また、脂質代謝ライブラリーを購入し、96ウェルプレートでのHNF-4α活性化評価システムの構築を行った。 さらに、ヒト肝細胞がんマイクロアレイデータを用いてHNF-4α-highと-lowの肝細胞がんに分類し、BRB-array toolを用いてclass-comparison解析を行い、HNF-4α-highと-lowの各classで発現が亢進している遺伝子クラスターを抽出した。抽出した遺伝子群についてはMetaCoreソフトウェアを用いてパスウェイ解析を施行、糖代謝、脂質代謝、薬物代謝に関わる遺伝子群がHNF-4α-highの肝細胞がんで活性化していた。一方、Wntシグナル伝達に関わる遺伝子群やFOXM1により制御される遺伝子群がHNF-4α-lowの肝細胞がんで活性化していた。 また、2018年度にはヒト肝細胞がん細胞株を用いてHNF-4α遺伝子発現を抑制するシグナル伝達系について、HNF-4αP1遺伝子プロモーターをluciferaseの上流に組み込んだplasmidを発現するレポーター細胞を作成した。
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