骨髄における赤血球産生を促すホルモンであるエリスロポエチン(EPO)は、胎生期には肝臓、成体では主に腎臓で産生される。本研究では、ヒトiPS細胞からEPOを産生する腎細胞の作製を目的とした。そして、申請者らが既に確立している方法でヒトiPS細胞から分化誘導される2種類の腎臓のもとになる前駆細胞であるネフロン前駆細胞と尿管芽を組み合わせて作製した腎組織内でEPO産生細胞の形成を確認した。今後、その腎EPO産生細胞を腎組織から単離する方法を開発し、申請者らが既に確立している方法でヒトiPS細胞から作製される肝EPO産生細胞との性状の比較解析を行う予定である。
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