研究課題/領域番号 |
18K19544
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中神 啓徳 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (20325369)
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研究分担者 |
樂木 宏実 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20252679)
杉本 研 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20437403)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | 糖鎖 / 慢性炎症 |
研究実績の概要 |
脳心血管病、腎臓疾患など多くの慢性炎症が関与する疾患において、加齢は強力かつオールマイティーな危険因子である。我々は老化とともに変化する糖鎖修飾に着目し、中でも研究が進んでいるIgG糖鎖修飾を入り口として解析を進めることとした。 IgG抗体は重鎖のFc 部分の Asn 残基(297残基目) に N-結合型糖鎖(バイセクト糖鎖)などを有しており、糖鎖修飾は加齢とともに進み抗体分子としての活性や動態、安全性等に寄与することが報告されている。リウマチなどの炎症性疾患において、ガラクトースを代表とするIgG糖鎖修飾が亢進していることが報告されていることから、実験系の確立のため慢性炎症疾患モデルとして脊椎関節炎モデルラットを用い、血中IgGのぷらファイルを網羅的に解析した。マット血清からIgGを精製し、さらに糖鎖を切り出した後にイオン交換クロマトグラフィーにかけて解析を行った。結果、ヒトに比べてラットIgGではフコース無しの糖鎖が少なく、フコース修飾糖鎖の割合が高いこと(特にG0Fの比率が高い)。High mannose型がある程度存在していること。シアル酸が付与した糖鎖が比較的多いことが分かった。 IgG糖鎖の解析方法として、イオン交換クロマトグラフィーでの質量分析で個々の糖鎖修飾部位の変化を評価することに加えて、ガラクトース及びフコースの修飾、バイセクト糖鎖修飾、High mannose型糖鎖修飾の割合を経時的に評価する方針とした。 また、ヒト糖尿病患者臨床検体を用いてIgG糖鎖およびフレイルとの関連を解析するために、臨床研究のプロトコルを作成して臨床研究評価委員会に提出し、承認を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IgG糖鎖解析方法の探索を行い測定方法の確立を行った。また、ヒトサンプル測定のための計画の承認を得た。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きげっ歯類での血中IgG糖鎖解析と病態との関連解析を進める。また、ヒトサンプルを収集し、解析を進める。
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