心臓は、心筋細胞、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、線維芽細胞など多様な細胞から成っているが、心筋細胞も決して均一ではない。哺乳類の心筋細胞は、生直後はほとんどが2倍体細胞であるが、その後急速に4倍体細胞が増加する。2倍体細胞を多く含む心臓は成体(Adult)においても修復再生能が高いという報告があるが、これまで両者を分子生物学的に比較した研究はない。本研究では、1細胞解析を用いて、マウス成体心筋細胞の性質を解析した。その結果、2倍体細胞と4倍体細胞とを遺伝子発現プロフィールに基づいて明確に区別することはできないが、前者のほうが幼若な性質を有していることが明らかになった。
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