研究課題
1. コネキシン40(Cx40)変異Q58Lのヘテロノックインマウス(Cx40-Q58L-KI)は作成に成功したが明白な伝導障害はないため、マウスの房室結節に発現する別のコネキシンCx30.2をさらにノックアウトしたマウス(Cx40-KI/Cx30.2-KO)を作成し凍結胚を作成した。研究責任者は2019年4月に国立循環器病研究センター(国循)に異動となったため凍結胚を作成し国循に移送した。2. 国循は2020年全施設移転のため、動物飼育施設が7月まで使用できず、10月から個体復元作業が順番に行われてきた。これまでに2回の個体復元を行ったが、現時点で成功していない。3. Cx45の変異R75HノックインマウスもCRISPR/Cas9法で試みたが、sgRNAやオリゴを数回変えて試したが出生しなかった。また、遺伝子編集の簡便化と迅速化を図るため、野生型マウスの自然交配により着床前胚を有する子宮~卵管に核酸とCRISPR/Cas9タンパクを注入し卵管全体に電気穿孔法を行う「iGONAD法」を試みたが、これも無効であった。
4: 遅れている
Cx40-Q58L-KI(ヘテロ)、Cx30.2-KO(ホモ)のマウス、およびこれらを交配した(Cx40-KI/Cx30.2-KO)の作成はCrispr/cas9ゲノム編集で成功している。これらのマウスを用いた研究を国循の新センター継続するため、凍結胚として保管していた。2020年10月から動物飼育センターで凍結胚の個体復元作業を2回行ったが成功していない。別のプロジェクトで同様に凍結していたマウス胚の復元は成功しており、コネキシンマウスが復元できない原因は不明である。Cx45変異のKIマウスついては、Crispr/cas9ゲノム編集、iGONAD法など、様々な手法を試してきた。これまでに1匹だけ生まれたことがあるが、発育しなかった。胎児期から新生仔期の生命維持にきわめて重要な蛋白である可能性が高く、KIマウスの作成は困難と思われる。
Cx40/Cx30.2のKIマウスは引き続き、凍結胚からの個体復元作業を継続し、繁殖後、心電図を含めたin vivo解析を行う。Cx45マウスに関しては現時点で作成する方法がない。
研究代表者は2019年4月に国循に異動し、国循は全センターの移転に伴い、7月まで動物実験の使用ができなかった。SPFを維持するためすべてのマウスは凍結胚とされ、順次個体復元作業が行われたが、本研究のマウスの最初の作業が行われたのは10月で、それまで本研究に関する実質的な実験はできなかった。現時点で個体復元は成功していないが、引き続き復元を目指して継続する。差額が生じた研究費は、今後の復元作業とその後の飼育の費用およびin vivoの解析費用に流用する。
すべて 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Circulation
巻: - ページ: 印刷中
PLOS ONE
巻: 15 ページ: e0227393
10.1371/journal.pone.0227393
ESC Heart Failure
10.1002/ehf2.12667
The FASEB Journal
巻: 5 ページ: 6399-6417
10.1096/fj.201902991R
Circulation Journal
別冊・医学のあゆみ 遺伝性心血管疾患のすべて
巻: - ページ: 87-90
European Heart Journal
巻: 40 ページ: 2964-2975
10.1093/eurheartj/ehz311
週間 医学のあゆみ
巻: 272 ページ: 1279-1283
循環器病研究の進歩
巻: 40 ページ: 58-66
http://www.ncvc.go.jp/omics/research/project05.html