近年、生活習慣の変化により、肥満およびそれに付随する疾患の頻度が、世界レベルで急増している。肥満の成因は、遺伝要因と後天要因(環境要因)が多角的に関与しており、原因によらない、普遍的な治療法が求められるが、有効な手段がないのが現状である。本研究では、脂肪細胞における脂肪蓄積の新奇分子機構を明らかにし、また、これを抑制することにより、少なくともマウス個体レベルにおいて肥満を大幅に軽減することができることを示した。すなわち、肥満の最終表現型である脂肪蓄積を制御することにより、原因によらない肥満治療の標的と治療効果を提示し、将来のヒト肥満症への適用が期待される。
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