研究成果の概要 |
本研究は, 乳癌細胞の浸潤や転移を抑制する治療法を開発することを目的とした. 乳癌幹細胞マーカーである接着分子CD44の細胞外ドメインがプロテイナーゼによって切断されることで, 癌細胞の遊走に関与することが報告されていることに着目し, この切断を光で可視化するセンサーを開発した. 開発した発光センサーの切断及び細胞膜局在を確認した. これらの発光センサーにより, 乳癌細胞の浸潤を阻害する可能性のある薬剤を見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在, 日本において乳癌は40代女性の癌部位別死亡率1位である. トリプルネガティブ(エストロゲン受容体, プロゲステロン受容体, 及びHER2発現陰性)乳癌は, 骨や中枢神経系への転移が多く再発率が高いことから, より優れた治療法の開発が急務である. このような有効な治療法が確立できていない難治性癌に対し, 癌幹細胞を標的とした治療法を開発し, 癌の根治や長期延命を実現したいと考えた. 本研究は, 乳癌幹細胞マーカーであるCD44を標的とした発光センサーを開発し, 乳癌細胞の浸潤を抑制する薬剤を見出すことに成功したことで, 乳癌治療の新たな選択肢となる可能性を示した.
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