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2019 年度 研究成果報告書

変異型p53誘導性上皮間葉転換を起こした肺癌のシグナル経路の解明及び治療法の確立

研究課題

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研究課題/領域番号 18K19578
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
研究機関京都大学

研究代表者

伊達 洋至  京都大学, 医学研究科, 教授 (60252962)

研究分担者 園部 誠  京都大学, 医学研究科, 准教授 (00432378)
毛受 暁史  京都大学, 医学研究科, 講師 (30527081)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2020-03-31
キーワードp53 / 肺癌 / 上皮間葉転換(EMT) / EGFR / スタチン
研究成果の概要

肺癌細胞株に野生型及び変異型p53を導入し、安定発現細胞株を作成した。野生型p53細胞株は、上皮型マーカーを発現していたが、変異型p53発現細胞株でのみ間葉型へのEMT変化が起こり、浸潤能の亢進や薬剤耐性化がみられた。これらの変化はスタチン投与により抑制され、間葉型から上皮型への回復、浸潤能や耐性化の抑制がみられた。
臨床検体を用いた研究では、肺腺癌完全切除例239例を用いた解析を行った。p53遺伝子変異の有無による層別化を行い、p53変異群において、EMT亢進及び予後不良がみられたが、さらにp53変異群のスタチン内服の有無によるサブグループ解析では、スタチン内服群で予後良好であった

自由記述の分野

肺癌

研究成果の学術的意義や社会的意義

現在、浸潤転移能を直接標的とする治療法はまだない。本研究の学術的意義は、変異型p53という肺癌の50%を占める腫瘍特異的な変化による浸潤転移能に関するEMTを標的としている点である。スタチンという既存薬によるEMTの回復が可能であり、臨床応用へのハードルも低い。また分子標的薬使用中のEMTによる薬剤耐性化が問題となっているが、これを克服することで、既存の分子標的治療薬との相乗効果も考えられる。
結果、術後再発予防や、遠隔転移症例に対する局所療法の適応拡大など様々な点で、既存治療法に加えて新たな癌治療戦略を採ることが可能となり、癌治療のパラダイムシフトにつながりうる。

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公開日: 2021-02-19  

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