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2018 年度 実施状況報告書

CD28分子集簇能による胃癌抗PD-1抗体療法におけるresponder群の同定

研究課題

研究課題/領域番号 18K19580
研究機関神戸大学

研究代表者

掛地 吉弘  神戸大学, 医学研究科, 教授 (80284488)

研究分担者 山下 公大  神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (80535427)
坂本 明美  千葉大学, バイオメディカル研究センター, 准教授 (90359597)
船越 洋平  神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (50566966)
南 博信  神戸大学, 医学研究科, 教授 (60450574)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2021-03-31
キーワード胃癌 / CD28 / T細胞 / 免疫シナプス / PD-1
研究実績の概要

CD28 分子集簇能をバイオマーカーとした胃癌抗 PD-1抗体療法の responder群の同定を目的とする。T細胞表面 CD28分子の集簇能はそのシグナルの強度を反映 すると考えられ、これ定量化してマーカーとする。本研究では、PD-1 の標的が CD28 であることで生じる PD-1 遮断の新たなる作用点のメカニズムの解明と、PD-1 遮断の計画的中止可能群の絞り込みを行う。本研究の基盤をなす研究として、イメージングサイトメトリーを用いT細胞表面に分布するCD28分子の細胞表面での動態の検出系の開発であるが、T細胞は少量の抗原でも活性化できるべく、抗原提示細胞と広く接着し、「免疫シナプス」を形成する。その前段階で素早く細胞膜に並ぶ活性化シグナル分子集団が集簇し、シグナルを活性化させることがすでに示されている。この表面分子の集簇を細胞集団レベルでの検出に成功した。この検出系を元に胃癌、食道癌の末梢血での評価を行い、その意義を検討する。さらに、T 細胞分画の CD28 分子の発現と動態解析による抗 PD-1 抗体のresponder 群の検出を目的として、解析を進める。抗 PD-1 抗体治療開始後肺癌患者末梢血の解析より、増殖能をもつPD-1+CD8+T 細胞が増加し、これらは CD28+であることを示した。これは、PD-1 治療高反応性T細胞は CD28+であることが必要条件となることを表すため、これを更に進めて、PD-1 治療後に CD28+T 細胞の CD28 シグナルが保持(再活性化)されることが PD-1 免疫療法の反応性を反映するという仮説で研究を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

イメージングサイトメトリーを用いT細胞表面に分布するCD28分子の細胞表面での動態の検出系の確立に成功し、この表面分子の集簇を細胞集団レベルでの検出に成功した。健常非癌患者の末梢血の解析は終了し、一定の成果を得た。現在は、食道癌。胃癌に関して解析を進めているところである。可能な範囲での進行癌患者(肺癌、悪性黒色腫、胃癌)抗 PD-1 抗体療法の治療前/後の末梢血 CD8+T 細胞のCD28IS形成の測定と機能解析を進めているが、症例集積はまだ、開始していない。IS形成能を定量的に測定し、生理的意義としての妥当性を持たせる場合、T細胞そのもののCD28の発現を測定し、CD28陽性細胞中のCD28集簇細胞数を測定し、さらに増殖能を参照としており、やや手技的な煩雑さもある。

今後の研究の推進方策

現在のところ、治療後末梢血採取が開始されていない状況で、院内倫理委員会申請を可及的早急に進める必要がある。さらに、このIS形成の生理的な意義をより明らかにする必要がある。マウスでの検討は困難であり、ヒトリンパ球での解析が必須であるため、クローン化した末梢血T細胞の作成、入手を検討している。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] A new method for evaluating T cell response after stimulation on gastrointestinal cancer patients.2018

    • 著者名/発表者名
      Tanaka T,Yamashita K,Sugita Y,Fukuoka E,Arimoto A,Kakeji Y
    • 学会等名
      AACR Annual Meeting 2018
    • 国際学会
  • [学会発表] 消化器癌患者におけるT細胞の刺激応答性の新規評価方法2018

    • 著者名/発表者名
      田中 智子、山下 公大、岡 祐馬、森田 愛梨、柳田 匡俊、杉田 裕、福岡 英志、有本 聡、長谷川 寛、松田 武、中村 哲、鈴木 知志、掛地 吉弘
    • 学会等名
      第28回日本サイトメトリー学会学術集会
  • [学会発表] 癌患者におけるT細胞の刺激応答性の評価  2018

    • 著者名/発表者名
      山下 公大、田中 智子、杉田 裕、福岡 英志、有本 聡、長谷川 寛、山本 将士、金治 新悟、松田 佳子、押切 太郎、松田 武、中村 哲、角 泰雄、鈴木 知志、掛地 吉弘
    • 学会等名
      第27回日本癌病態治療研究会
  • [学会発表] 消化器癌患者におけるT細胞表面分子集簇による機能評価2018

    • 著者名/発表者名
      山下 公大、田中 智子、 杉田 裕、 福岡 英志、 有本 聡、 山本 将士、 押切 太郎、 中村 哲、 鈴木 知志、 掛地 吉弘
    • 学会等名
      第73回日本消化器外科学会総会
  • [学会発表] 消化器癌患者におけるT細胞の刺激応答性の評価方法の検討2018

    • 著者名/発表者名
      田中 智子、山下 公大、岡 祐馬、柳田 匡俊、杉田 裕、福岡 英志、有本 聡、長谷川 寛、山本 将士、金治 新悟、松田 佳子、押切 太郎、松田 武、中村 哲、鈴木 知志、掛地 吉弘
    • 学会等名
      第22回日本がん免疫学会総会
  • [学会発表] Symposia on Specific Tumors 消化管がん治療の新展開2018

    • 著者名/発表者名
      掛地 吉弘
    • 学会等名
      第77回日本癌学会学術集会
  • [学会発表] 食道癌患者におけるT細胞表面分子集簇による機能評価2018

    • 著者名/発表者名
      山下 公大、田中 智子、杉田 裕、福岡 英志、有本 聡、松田 武、押切 太郎、中村 哲、鈴木 知志、掛地 吉弘
    • 学会等名
      第29回日本消化器癌発生学会総会
  • [学会発表] 末梢T細胞のIS形成能の測定法の確立2018

    • 著者名/発表者名
      山下 公大、田中 智子、杉田 裕、渡部 晃大、福岡 英志、有本 聡、瀧口 豪介、高瀬 信尚、長谷川 寛、山本 将士、金治 新悟、松田 佳子、松田 武、押切 太郎、中村 哲、鈴木 知志、掛地 吉弘
    • 学会等名
      第22回バイオ治療法研究会

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公開日: 2019-12-27  

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