研究課題
近年、免疫チェックポイント阻害療法の有効性にネオアンチゲンに対する免疫応答の貢献が示唆されネオアンチゲンの重要性が注目される。しかし担癌患者では 腫瘍微小環境における免疫抑制ネットワーク形成が有効ながん免疫応答を阻んでいる。本研究では大腸癌、胃癌を中心とした消化器腫瘍の遺伝子変異について次 世代シーケンサーを用い網羅的解析し、各腫瘍個別の遺伝子変異由来の抗原エピトープ(ネオアンチゲン)を予測、同定する。同時に遺伝子の網羅的発現解析に より各腫瘍における免疫抑制ネットワークを同定する。これにより患者個別のネオアンチゲン標的免疫療法と患者個別の免疫抑制ネットワーク解除療法の併用療 法より成る、がんの特性と免疫環境の特性に応じた極めて個別化デザインされたがん免疫療法の開発を行った。2020年度には、以下の研究実績が達成された。1. 2019年度に発見した、がんのネオアンチゲンを標的としたT細胞輸注療法の効果を高めるがことが明らかとなった新規化合物Xについて、その作用機序を解析した。その結果、化合物XはT細胞のNF-kB経路を活性化することによりT細胞応答を高め、ネオアンチゲン標的T細胞療法を補強することが明らかとなった。2. 新規化合物XがのNF-kB経路を活性化することにより、腫瘍に浸潤するネオアンチゲン特異的T細胞は細胞表面のCD25等の活性化マーカーの発現を高め、IFN-gammmaの産生、細胞増殖を高めていることが明らかとなった。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 5件) 図書 (3件) 備考 (1件)
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