研究課題
昨年度より、引き続き若年者・遺伝性乳がんが疑われる症例に対し、インフォームドコンセントの元に手術時に乳癌組織、正常皮膚組織を採取し、昨年度に確立した培養手法(Miltenyi Biotech社のgentleMACS DissociatorとTumor Dissociation Kitを用いて癌組織を処理し、ES/iPS細胞用培地・ヒト間葉系幹細胞用培地を混合した培地に、ROCK阻害剤(Y27632)、TGF-beta阻害剤(SB431542)を組み合わせ、さらに放射線照射マウス線維芽細胞をフィーダーとして用いた方法で一定期間培養し、そのまま同様の培地で培養を続けるものと、乳腺上皮細胞用培地にY27632、SB431542とフィーダーを用いるものとに分割する方法)を用い、初代培養を行った。引き続き、これまでに収集した利用可能なすべての初代培養細胞に対して、相同組換え修復能アッセイを施行した。具体的には、オラパリブ処理・非処理後にEdU、CENPF染色、53BP1染色を用い、G2期における二重鎖切断発生の定常状態、一定時間経過後の残存二重鎖切断等のキネティクスを解析する方法を用いた。相同組換え修復能が欠損している場合、定常状態においても二重鎖切断の発生頻度が高く、更にオラパリブ処理後、24時間後でも多くの切断点が残存する傾向であった。その結果、相同組換え修復能の低下が疑われる5例について、正常部・癌部のペア、合計10サンプルについてwhole genome sequencingを行った。シークエンスデータの解析について、alignment、single nucleotide variantのコールまでは終了した。
3: やや遅れている
研究協力者の産休のため
Whole genome sequencingデータの解析を進め、相同組換え修復能低下の責任遺伝子を同定する
研究協力者の産休のため。Whole genome sequencingデータの解析を進め、相同組換え修復能低下の責任遺伝子を同定する。得られた候補遺伝子変異に関しては、多数の検体を用いた検証作業を行う。
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