研究課題/領域番号 |
18K19597
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川瀬 哲明 東北大学, 医工学研究科, 教授 (50169728)
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研究分担者 |
菅野 彰剛 東北大学, 医学系研究科, 講師 (20578968)
木村 芳孝 東北大学, 医学系研究科, 客員教授 (40261622)
坂本 修一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60332524)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 聴覚 / 選択的注意 / 脳波 |
研究実績の概要 |
多数の音源から発せられる音情報の聴き取りにおいては、聴き取るべき情報に「選択的に注意」をし、不必要な情報を「選択的に無視」できることが重要となる。本研究では、この「選択的無視機構」に焦点おくという逆転的発想に基づき、選択的「注意」「無視」の経時的変化の評価を可能とする新しい脳波解析技術 の考案・開発し、選択的「無視」メカニズムの機序解明とその評価法確立を探る。具体的には、選択的「注意」「無視」の経時的変化の評価を可能とする新しい脳波解析技術の考案・開発、選択的「無視」メカニズムの機序解明とその評価法 確立、さらには選択的無視機構の病理解明への展開的挑戦をめざす。 昨年度は、持続的連続刺激に対する反応を、非加算処理で評価可能な脳磁図脳波計測・解析システム並びに、注意・無視に関連する脳責 任部位の同定法の構築への取り組みを行ったが、本年度は、臨床応用を考慮し、より安定的な評価が可能になる加算処理による解析方法の確立に向け、以下の取り組みを行った。1)脳磁図を用いた選択的聴覚注意に対する注意妨害刺激の影響評価:トーンバースト刺激に注意をしながら記録したN100mに対する、注意妨害視覚刺激や対側耳に提示した注意妨害聴覚刺激の影響を評価、妨害刺激の種類による影響を受けやすさの違いや、個人差について検討を行った。2)聴覚心理音響学的検討:注意システムの簡便な臨床検査として構築を目的に、検耳(片耳)で行う周波数弁別などのタスクに対する対側耳への妨害音刺激による影響を評価するシステムを構築、正常被験者を対象とした予備的検討を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実臨床における聴覚的注意と無視に関する新しい検査システムの構築を順調に進めることができている
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今後の研究の推進方策 |
本年度実施の1)脳磁図選択的聴覚注意に対する注意妨害刺激の影響評価2)聴覚心理音響学的注意システムの簡便な臨床検査法、について、特に臨床応用の観点から刺激条件の最適化を行い、臨床応用可能な検査システムの提案を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
インターネットなどによる情報収集により、本年度計上していた調査研究旅費の使用が必要にならなかったため、次年度使用額が発生した。 次年度の機器使用料、被験者謝金などに充てる予定
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