研究課題/領域番号 |
18K19604
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
麻生 義則 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, ジョイントリサーチ講座教授 (50345279)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 加齢 / 運動器 / 腸内細菌 |
研究実績の概要 |
変形性関節症、骨粗鬆症は、ロコモティブシンドロームの原因疾患として克服すべき疾患である。加齢に伴い骨格筋の筋肉量および筋力は低下する。加齢性筋肉減弱症の発症機序の詳細については十分に解明されず治療法もない。近年、腸内細菌叢が骨密度を制御することが明らかになりつつあるが、骨代謝を制御する菌種は特定されていない。男性の骨粗鬆症罹患率ならびに骨折発生率は、女性の約3分の1と推計されるが、骨折後の死亡リスクの上昇ならびに日常生活動作低下の度合いは、男性の方が女性より深刻である。男性の加齢に伴う骨量低下のメカニズムは十分に解明されていない。以上を背景に、我々は、運動器の退行性変化が腸内細菌叢により制御されるとの仮説を立て、その検証を行うこととした。我々は昨年度から、腸管加齢モデル作成のために、腸管特異的に長寿遺伝子Sirt6欠損するマウスの作成(Lgr5cre::Sirt6floxedマウス)を開始しているが、実験に使用するために個体数を増やしている。また生後1.5年、生後2年までC57/BL6Jマウスを継続して飼養し、糞便、盲腸内容物、腸管サンプルを蓄積している。一方、サルコペニアの解析を行うために、筋力解析の手法を確立した。この手法により、客観的にマウスの筋力を測定し、比較することが可能となった。また、無菌マウスに対する腸内細菌移植実験により、骨量を優位に増加させる細菌Xを同定した。今後、メタボローム解析などを行い、骨量増加のメカニズムを解析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
腸管特異的に長寿遺伝子Sirt6欠損するマウスを作出しているが、個体の蓄積がやや遅れている。今後、メイティング数を増やして個体作出に努める予定であるが、新型コロナウイルス流行に伴い、一時的に研究計画の縮小を余儀なくされており、困難が予想される。
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今後の研究の推進方策 |
蓄積しているサンプルの解析、具体的には糞便のシーケンス解析、腸管の組織学的解析、遺伝子改変マウスの骨組織、筋組織解析を進める。同時に、無菌マウスへの糞便移植実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は端数である。消耗品購入に充当する予定である。
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