研究課題/領域番号 |
18K19610
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻川 明孝 京都大学, 医学研究科, 教授 (40402846)
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研究分担者 |
村岡 勇貴 京都大学, 医学研究科, 助教 (00739089)
大音 壮太郎 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (10511850)
池田 華子 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20372162)
村上 智昭 京都大学, 医学研究科, 講師 (50549095)
亀田 隆範 京都大学, 医学研究科, 助教 (60569961)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | 糖尿病網膜症 / 加齢黄斑変性 / 光干渉断層計アンギオグラフィー / 抗VEGF療法 / 自己抗体 / ゲノムワイドイド関連解析 / 補体 / 網膜静脈閉塞症 |
研究成果の概要 |
本研究では、最新の眼底イメージング技術を駆使し、網脈絡膜疾患における血管障害と神経変性が関連しながら、病態が悪化することを明らかにした。特に加齢黄斑変性や中心性漿液性脈絡網膜症では、液性免疫である補体や炎症関連分子の一塩基多型が優位に関連することを報告した。また、糖尿病網膜症に関わる自己抗体として、抗fumarase抗体と抗hexokinase 1抗体を新たに見出した。特に抗fumarase抗体は視力障害との関連が強い視細胞障害を惹起することも見出した。これらの結果は、十分な治療法が確立されていない網脈絡膜疾患の病態理解および新規治療標的を示唆していた。
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自由記述の分野 |
眼科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、最新の眼底イメージング技術を用いた解析で網脈絡膜疾患の病態理解を深めた。また、臨床的には、眼底所見や液性免疫に関わるゲノム情報、血清中の自己抗体など、診断的価値や予後予測が示唆される新たなバイオマーカーを複数同定した。それらの中で、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性等では、治療効果の予測因子も見出しており、今後のオーダーメイド医療の促進に役立つ可能性が示唆される。特に糖尿病黄斑浮腫においては、自己抗体が補体と協働して視細胞障害を惹起する分子機構が明らかとなり、新たな治療標的となる可能性がある。つまり、本研究では、網脈絡膜疾患の診断と治療の進歩に多大な貢献があったと考えられる。
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