研究課題/領域番号 |
18K19621
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
木下 茂 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30116024)
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研究分担者 |
上田 真由美 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60398386)
岡田 随象 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70727411)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 遺伝子多型 / HLA / 遺伝子間相互作用 |
研究実績の概要 |
申請者らが明らかにした重篤な眼合併症を伴う感冒薬関連Stevens-Johnson症候群(感冒薬SJS)発症に関わる遺伝子間相互作用を基盤にして、申請者らが今までに得た全ゲノム解析データを用いて、遺伝子間相互作用の解析を網羅的に行ってみた。その結果、オッズ比が10以上を示す2つの遺伝子型の組合せは、1500以上に及ぶことが明らかとなった。その内訳は、HLA型同士の組合せは7組、HLA型とSNPの組合せは342組、SNPとSNPの組合せは1337組であった。例えば、遺伝子多型同志の組み合わせでは、GNAI1(rs12672431) GGとKCNIP4/LOC100505912(rs77885120)AAの両方を持つ人は、オッズ比が、73となった。また、IKZF1(rs897693)TTとLOC105377567(rs59783747)AAの両方を持つ人は、オッズ比が同じく73となった。CYMP/LOC105378900(rs1339697)TTとLINC0130701163/LOC105378554(rs10829414)GGの両方を持つ人は、オッズ比が同じく61となった。遺伝子多型とHLA型での組合せでは、ANXA2(rs2100432)AAと、HLA-A*02:06の両方を持つ人は、オッズ比が50となった。LOC105377567(rs59783747)GGとHLA-A*02:06の両方を持つ人は、オッズ比が27となった。このように、2つの遺伝子型を組合せるだけで、オッズ比が著明に高くなる組合せが多数認められることが明らかとなった。今後は、発症予防やハイリスクの予測に、どのように実用化できるか検証する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遺伝子間相互作用の解析を網羅的に行い、オッズ比が10以上を示す2つの遺伝子型の組合せは、HLA型同士の組合せは7組、HLA型とSNPの組合せは342組、SNPとSNPの組合せは1337組と、多数に及ぶことを明らかとした。このように、遺伝子型を組合せるだけで、オッズ比が著明に高くなる組合せが多数認められる。今後は、発症予防やハイリスクの予測に、どのように実用化できるか検証する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
遺伝子間相互作用の解析を網羅的に行い、2つの遺伝子型を組合せるだけで、オッズ比が著明に高くなる組合せが多数認められることを明らかとした。今後は、これらの組み合わせが、全体に占める割合を調べ、実用化に有用な組合せの選別を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析が遅れたため解析費用を持ち越した.今年度の予算は、解析のための消耗品購入と成果発表に使用する予定である。
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