研究課題/領域番号 |
18K19623
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
足立 好司 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00231928)
|
研究分担者 |
小池 薫 京都大学, 医学研究科, 名誉教授 (10267164)
平川 慶子 日本医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30165162)
柚木 知之 京都大学, 医学研究科, 准教授 (50639094)
金涌 佳雅 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (80465343)
|
研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
|
キーワード | 脳腫瘍 / グリオーマ / 血清診断 / NMR モード解析 |
研究実績の概要 |
脳腫瘍の血清診断が可能になると、脳腫瘍患者の病勢モニタリングや健康人のスクリーニングに非常に役立つと考えられます。今回、われわれは脳腫瘍 NMR モード解析と名付けた技術を応用して脳腫瘍の血清診断ができるかどうかをみることを目的に、平成30年度からこの研究を始めました。脳腫瘍を含む脳疾患患者からの結成権帯を集積しました。血清は、遠心分離により細胞成分等の不溶分画を除去し、マイナス80度の超低温フリーザーに保存しました。患者からは、通常行われている血液生化学、核医学検査を含む画像所見、病理組織診断、遺伝子診断、臨床経過などの臨床情報も収集し、データ解析の際に献体ごとの情報を振り返ることができるようにデータベース化しました。NMR 計測に際しては、この情報を連結不可能な匿名化情報として保存しました。 初年度(平成30年度)は50例、次年度(平成31年度)は23例の血清で解析を行うことができました。(1例は同意を得たものの、血清量が不十分でエントリーできませんでした。また、別の1例は溶血が著しく利用できませんでした。)令和2年度及び3年度は計32例の血清を集積したものの、新型コロナウイルス感染症の蔓延及び検査機器のオーバーホールが重なり、計測解析が行えず、以前のデータの整理、検証に努めました。特に、WHO に遺伝子診断が導入されたのを機に病理診断を分子診断ベースに訂正・確認を行いました。検体のプロトン NMR 計測データを用いて、研究分担者である、平川、小池らが開発した NMR モード解析を用いました。結果は、この手法によりグリオーマグループと非グリオーマ性脳腫瘍、非腫瘍性脳疾患グループとを明瞭にクラスタリングすることができるというものでした。この研究により脳腫瘍という診断だけでなく、グリオーマかどうかという診断も可能になると期待できました。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の蔓延による研究の停止と、検査機器のオーバーホールが必要になったため。
|
今後の研究の推進方策 |
集積したものの解析に至っていない検体を用いて研究を進めます。また、脳腫瘍の組織学的グレード診断や 1p/19q 共欠失、IDH-1 変異などの遺伝子変化の診断も可能かどうか解析していきたいと考えています。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の蔓延と、検査機器のオーバーホールが重なり、集積したものの NMR 測定に至っていない検体があり、次年度使用額が生じています。保管済みの検体測定と、解析を次年度に行う予定としています。
|