研究課題
挑戦的研究(萌芽)
小胞体ストレス時に細胞外に放出される因子をプロテオーム解析にて探索した。その結果、小胞体ストレス依存的に細胞上清中に放出されるタンパク質を見出した。さらに、この因子の機能を調べるために、そのリコンビナントタンパク質を細胞培養に添加したところ、炎症関連遺伝子の発現を強く誘導した。以上の結果、今回同定したターゲット因子は小胞体ストレスインディケーターになると共に新規の炎症誘導物質としても機能することが示唆された。
分子細胞生物学
小胞体ストレス依存的に細胞外に放出される因子の同定により、非破壊的に小胞体ストレス状態を測定する技術の確立に近づいた。この技術の応用による小胞体ストレス関連疾患に対する新規予測診断法の確立は、内分泌、骨軟骨代謝疾患、神経を含む難病の予防あるいは早期治療への応用に発展していくことが期待される。さらに、今回同定した因子は新規の炎症誘導物質としても機能することから、小胞体ストレスインディケーターとしての役目だけではなく疾患自体との関連性も考えられる。