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2019 年度 実施状況報告書

線維性骨異形成症におけるシグナル伝達異常の解明と創薬シーズの探索

研究課題

研究課題/領域番号 18K19642
研究機関大阪大学

研究代表者

豊澤 悟  大阪大学, 歯学研究科, 教授 (30243249)

研究分担者 鵜澤 成一  大阪大学, 歯学研究科, 教授 (30345285)
阿部 真土  大阪大学, 歯学研究科, 講師 (40448105)
宇佐美 悠  大阪大学, 歯学研究科, 講師 (80444579)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2021-03-31
キーワード線維性骨異形成症 / GNAS遺伝子変異 / 骨髄間質細胞 / 一次シリア / マウスモデル
研究実績の概要

線維性骨異形成症は、GNAS遺伝子変異によるシグナル伝達異常が骨髄間質細胞に起こって発症する骨疾患である。本研究では、ヒトの線維性骨異形成症と同様に、GNAS遺伝子変異によるシグナル伝達異常が骨髄間質細胞に起こる遺伝子改変マウスモデルを作製する。ヒトの病変細胞には、発生分化のシグナル発信器官で もある一次シリアが存在する事から、マウスモデルの骨格病変において、一次シリアも関与するシグナル伝達異常を解明し、そのシグナル経路にある分子の活性 を阻害する創薬シーズを探索する。
目的細胞にヒトの線維性骨異形成症の原因となるGsα変異体(GsαR201C)を発現させるため、Gsαのコドン201番のArgをCysに置換する変異GNAS遺伝子のマウス相同遺伝子を用いて、Gt(ROSA)26Sor遺伝子座のExon1とExon2の間に標的遺伝子をノックインするようRosa-Stop fl/fl-GsαR201Cマウスのベクターを設計した。そのターゲティングベクターを構築し、相同組換えES細胞の樹立を行った。次に、キメラマウスを作製するため、c57BL/6J系統マウス由来のES細胞に目的遺伝子を挿入した相同組換えES細胞を、Balb/C系統マウス由来の胚へマイクロインジェクションし、両細胞の混在した状態のマウス個体を形成させた。
この作業過程で、ES 細胞由来の細胞が40%以上になるキメラ寄与率の高いキメラマウスを作出することは、目的遺伝子がgermlineに挿入されたマウスを選択する確率に寄与する重要なステップである。そのため、組換えES細胞のマイクロインジェクションを16回実施して、ようやくキメラ寄与率50%と70%の2匹のF0ヘテロマウスを得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

キメラ寄与率の高いマウスを得るのが困難であったため、相同組換ES細胞の胚盤胞(Balb/c由来)へのインジェクションを16回実施して、1年が経過した。ようやくキメラ寄与率50%と70%の2匹のF0ヘテロマウスを得ることができたが、実験スケジュールは大幅に遅れてしまった。

今後の研究の推進方策

キメラ寄与率の高いマウスを得る実験段階は終了し、目的遺伝子がgermlineに挿入されたマウスを選択するため、交配と体外受精を同時並行させて実施し、目的遺伝子がgermlineに挿入されたF1ヘテロマウスを作製中である。
目的遺伝子がgermlineに挿入されたF1ヘテロマウスが作出された後は、Neomycin配列の除去を行ったマウスを作出する。作出されたGsα変異体(GsαR201C)Floxマウスは、Leptin Receptor(Lep)-Creマウスと交配させて、骨髄間質細胞特異的に変異GNAS遺伝子が発現するマウスを作製し、その骨格変化の解析を行う。同時に、凍結胚作製を行い、凍結胚を保存する。

次年度使用額が生じた理由

キメラ寄与率の高い50%と70%のF0マウスを得るために、今年度の実験期間をすべて費やしてしまった。本来ならば、今年度の期間中に終了すべき①目的遺伝子がgermlineに挿入されたF1ヘテロマウスの作出、②Neomycin配列の除去を行ったマウスの作出、③凍結胚作製と凍結胚保存作業の①~③に要する今年度分の1,402,400円を、次年度の①~③の作業がすべて終了した時点で支払うことになる。

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公開日: 2021-01-27  

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