骨粗鬆症モデルラットにPTH製剤を投与し、疼痛軽減作用があることを検証した。さらに、疼痛を軽減する作用は、骨の量を増やす作用よりも早く現れることに気付き、痛みを伝える感覚神経に注目して詳細に調べた。その結果、感覚神経細胞にPTHの受容体があること、PTHが作用することにより、神経細胞から痛みを軽減するための分子が出てくることが明らかになった。PTHは、もともと体の中のカルシウム量を調節するホルモンであり、骨や腎臓に作用することはよく知られてたが、PTHが神経系にも作用することは、世界で初めての発見である。また、この研究では、痛みを脳に伝えるための脊髄神経にも変化が現れることが明らかとなった。
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