研究課題
I型コラーゲンは、骨の有機基質の90%以上を占める主要なタンパク質であり、2本のα1鎖と1本のα2鎖が3重コイルをつくる。α1鎖はCol1a1遺伝子、α2鎖はCol1a2遺伝子によってコードされている。Col1a1遺伝子では、転写開始点上流2.3 kbが骨芽細胞でのCol1a1遺伝子の発現制御領域であることが明らかにされている。しかし、Col1a1遺伝子発現がどのように制御されているかは、明らかになっていない。我々は、GFPとCreの融合タンパク質を発現する、2.3 kb Col1a1 プロモーターGFP-Creトランスジェニックマウスを独自に作製した。このマウスでは、骨芽細胞特異的にGFP-Creを発現していた。このトランスジェニックマウスをRunx2fl/flマウスと交配し、骨芽細胞特異的にRunx2を欠失させたRunx2fl/flCreマウスを作製した。このマウスでは、マイクロCT解析で、野生型マウスと比較し骨量の低下が観察された。また、リアルタイムRT-PCRおよびインサイチュウハイブリダイゼーションで、野生型マウスと比較しCol1a1 mRNAの減少が認められた。したがって、Runx2がCol1a1遺伝子の発現制御に関与していると考えられた。Col1a1遺伝子発現制御機構を解明するために、Col1a1 遺伝子の上流DNAをクローニング、ルシフェラーゼレポーターベクターに挿入した。Runx2は、このレポーターベクターの活性を増強した。さらに、このDNAを順次欠失させたレポーターベクターを作成、Runx2による発現増強に必要な領域を特定した。さらに、その領域の中の塩基配列に種々の変異を導入して、レポーターベクターの活性が、Runx2によって増強されるか検討した。変異導入によって、Runx2による転写の増強が見られなくなる塩基配列があり、この塩基配列がRunx2による転写活性化に必要と考えられた。
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