病棟の手洗いは、多剤耐性緑膿菌(MDRP)などの耐性菌の温床となっている。そこで、手洗いの除菌を行うことで、手洗いを介した患者へのMDRPの伝播を防止できると考えた。そこで、3つの病棟の手洗いの除菌を2007年から開始すると共に、PCR-based ORF Typing法とMulti-locus Sequence Typing法を用いて、患者から検出されたMDRP菌株の遺伝子相同性解析を行った。手洗いの除菌を開始した2007年を境に、MDRP検出数が激減すると共に、遺伝学的に相同性のあるMDRPの検出も激減した。病棟の手洗いの除菌は、患者へのMDRP伝播防止に有用である。
|