研究課題/領域番号 |
18K19666
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
野口 恵美子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40344882)
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研究分担者 |
田宮 菜奈子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20236748)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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キーワード | アレルギー性鼻炎 / スマートフォンアプリ |
研究実績の概要 |
アレルギー性鼻炎は国民の約4割が発症している国民病であり、その経済損失は日本全体で年間4兆3966億円と推計されている。アレルギー性鼻炎の治療において治療薬は数十種類以上存在するが、症状や治療の副作用の評価は質問紙や診察時の症状日誌を除いて存在しない。一回の診察における診療時間は限られており、治療に対する効果や患者の症状・状態について、患者と医療者間で十分に共有できていない現実がある。患者側からも主体性を持って医療に参加してもらうことで、より適切な医療を施す「患者参加型医療」が注目されており、アレルギー性鼻炎においても患者参加型医療を加味した治療評価法の発展が求められている。 本研究では、アレルギー性鼻炎患者における患者参加型医療を推進するために、アレルギー性鼻炎患者の臨床情報・生体情報・内服状況を収集するためのアプリケーションを開発することを目的とする。収集されたデータは、花粉飛散量、PM2.5、気温や気圧などの気象データと統合することにより、症状悪化につながる既知・未知の関連の同定につなげることができる。 今年度は、先行研究と鼻アレルギー診療ガイドライン、更に臨床医から意見を聴取して質問項目リストを作成した。現在は他施設と連携しアプリ開発を行っている。 次年度は試作版の作成後、耳鼻科専門医や患者から意見を聴取することによりアプリを修正する。更に完成後は試験的な導入を行い、診療時間や患者満足度の変化について調査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Apple社が公開しているiPhone用のアプリケーション開発のためのAppのフレームワークであるReseach kitを採用することを決定した。先行研究と鼻アレルギー診療ガイドライン、更に臨床医から意見を聴取して質問項目リストの作成はほぼ終了している。アプリ表示の画面についての基本的な骨格(画面)と生体情報等の収集項目についての最終的な調整を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
Apple社が公開しているiPhone用のアプリケーション開発んためのAppのフレームワークであるReseach kitを採用し、アプリケーション開発を進める。 既存のスマートフォン向け睡眠アプリから睡眠深度や時間などのデジタル情報を取得する。花粉、PM2.5などの環境データは環境省花粉観測システム(http://kafun.taiki.go.jp/)、PM2.5サイト(https://pm25.jp/)などから取得し、患者の臨床データ、生体情報と複合して表示させることも検討する。試作版の作成後、耳鼻科専門医や患者から意見を聴取することによりアプリを修正する。更に完成後は試験的な導入を行い、診療時間や患者満足度の変化について調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究ではアプリケーション開発を目的としているが、そのフレームワークの作成のために時間を要したため次年度への繰り越しを行った。
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