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2018 年度 実施状況報告書

化学物質による細胞死と分子制御型ネクローシス

研究課題

研究課題/領域番号 18K19670
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

秋 利彦  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (60304474)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2021-03-31
キーワードパイロトーシス / フェロトーシス / ネクローシス
研究実績の概要

計画初年度の本年度は、まずパイロトーシスとフェロトーシスを解析する実験系を確立することを中心に実験を行なった。まず、典型的なパイロトーシスが生じることが知られているエンドトキシンによる免疫細胞、特にマクロファージの応答をRAW264.7マウスマクロファージ様細胞を用いて調べた。10ng/mlのリポポリサッカリド(LPS、グラム陰性菌の細胞壁成分)でガスダーミンDの分解、細胞膜のバルーニングを伴う典型的なパイロトーシスが観察された。現在この実験系を中心に硫化水素発生剤NaHS、緩徐型硫化水素発生剤GYY4137などによる細胞死保護効果を検討している。フェロトーシスに関しては、ヒト肝癌由来細胞HuH-7およびヒト線維肉腫由来細胞HT-1080細胞を入手した。これらはいずれもフェロトーシス遂行能力があり、フェロトーシス研究に広く用いられている細胞株である。肝障害が広く知られている薬毒物であるアセトアミノフェン、四塩化炭素による細胞死検討する過程で、HuH-7は血清除去によりネクローシス様の細胞死を起こすことを見出し、これがフェロトーシスである可能性も検討している。パイロトーシスは細胞膜のバルーニングという光学顕微鏡下でも確認可能な特徴を持つため、現在検討中の薬毒物のいくつかで既にパイロトーシスを確認している。例えば、高濃度ブタノールによる心筋細胞(H9c2)の細胞死がパイロトーシスであることを既に確認した。ネクロトーシスに関しては計画初年度ではまだ成果を得ていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新規なパイロトーシス誘導薬毒物を発見することは、パイロトーシスのスクリーニングが比較的容易であることもあり、順調に進行している。しかしながらフェロトーシス誘導薬毒物のスクリーニングは遅れており、これは主にフェロトーシスのスクリーニング法が阻害剤の効果の検討などに限られていることが原因である。フェロトーシスに関しても顕微鏡で判定可能な形態的な特徴をスクリーニング手法として用いられないか、検討する必要がある。

今後の研究の推進方策

計画初年度は主に手持ちの薬毒物を用いて検討を行った。計画第二年度は化合物ライブラリーを用いたスクリーニングを行う予定である。並行して、いくつかのパイロトーシス誘導薬物候補について、さらに詳細な検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

初年度は消耗品購入費を中心に予算を使用した。細胞培地からの血清除去という非常に単純な実験系でネクローシスが誘導されたため、その解析には消耗品の補充で十分であった。残額は次年度予算と合わせて機器の購入にあてる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Paraquat-induced cell death pathway, mitochondrial stress and autophagy in human neuronal cell line SH-SY5Y.2018

    • 著者名/発表者名
      Naho Hirayama, Toshihiko Aki, Koichi Uemura
    • 学会等名
      IALM
    • 国際学会
  • [学会発表] SH-SY5Y human neuroblastoma cell death by methamphetamine involves downregulation of cell cycle regulators.2018

    • 著者名/発表者名
      Rina Kaseda, Toshihiko Aki, Koichi Uemura
    • 学会等名
      IALM
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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