研究課題/領域番号 |
18K19671
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
朝倉 隆司 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00183731)
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研究分担者 |
友川 幸 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (30551733)
竹内 理恵 長崎大学, 熱帯医学研究所, 戦略職員 (00623084)
秋山 剛 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (20579817)
三宅 公洋 信州大学, 教育学部, 研究員 (70794858)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | ラオス / 若者 / 社会経済的開発 / インタビュー / 生活変化 / 社会変動 / 健康 |
研究実績の概要 |
2018年度は「ラオスの社会開発と経済発展は、若者の意識や生活・ライフスタイル、教育、仕事、家族、健康、将来の希望にどのような影響をもたらしているか」という研究疑問を立て、ラオス国立大学の研究協力者の協力を得てラオス語版のインタビューガイドを作成し予備的インタビューを実施した。対象者は、青年同盟の協力が得られず、大学生とした。本年度は、パクセ教員養成大学2名、ラオス国立大学教育学部5名の学生に予備的インタビューを行った。 インタビューの質問は、ラオスの経済発展や社会開発を、どのように考えていますか/ラオスの経済発展や社会開発は、若者世代にどのような影響を与えていると思いますか/ラオスの経済発展や社会開発で、親の世代と比べて、若者の生活の仕方やライフスタイルは影響を受けて、どのように変わっていますか/親の世代と比べると、若者の食生活には、どんな違いがありますか/ラオスの経済発展や社会開発で、親の世代と比べて、若者の教育に対する考えはどのように変わっていますか/仕事、将来の就職の面では、親の世代と比べて、若者が置かれている状況はどのように変わっていますか/親の世代と比べて、若者の家族関係は違ってきていますか/若者のレジャーは、親の世代と比べて、どんな違いがありますか/病気や健康面では、親の世代と比べて、若者の状況は変わってきていますか/自分の将来について、親の世代と比べて、希望を持てるようになっていますか、といった質問である。 暫定的な分析だが、多様な認識が語られていた。ラオスは多分野でテクノロジーが普及し、服装やレジャーなど親世代と比べ西欧化している。教育や雇用の機会も高まっている。一方、家族や人の繋がりの大切さは変わらない。都市と鄙との格差の拡大は問題と認識されていた。また、感染症による健康課題に加え、薬物やHIVの問題があると語られた。食生活の変化は、認識が分かれていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
直接交渉したがラオス青年同盟の協力を得ることができなかったため、これまで研究協力を得てきたラオス国立大学教育学部に協力を得ることに変更した。インタビューガイドの翻訳とインタビューアーの確保に時間を要した。そのため、当初1年目にインタビューによる本調査をある程度進める予定であったが、予備調査を実施するにとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
ラオス語版インタビューガイドを作成できたので、2019年度は順調にインタビュー調査を進めることができる見通しである。すでに、5月にルアンパバーン教員養成大学での調査の準備が進んでおり、8月から10月にかけて、パクセ教員養成大学、サワンナケート教員養成大学、ラオス国立大学で、各15名のインタビューを実施する予定で調整を進めている。 また、幾つかの大学では、研究への関心が高まっており、インタビューを用いた研究法のセミナーを開催することになっている。このセミナーを通して、研究パートナーとなる人材育成に取り組むという挑戦的課題に取り組める見込みである。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビューガイドの作成に手間取ったために、インタビューのための渡航が少なくなったのが大きな理由である。その分、次年度に本格的なインタビュー調査、調査研究法のセミナーの企画、さらに量的調査の準備のために、分担者と複数回の渡航が必要になり、その費用に使用する計画である。
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