研究課題/領域番号 |
18K19671
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
朝倉 隆司 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00183731)
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研究分担者 |
友川 幸 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (30551733)
竹内 理恵 琉球大学, 医学部, 客員研究員 (00623084)
秋山 剛 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (20579817)
三宅 公洋 信州大学, 教育学部, 研究員 (70794858)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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キーワード | ラオス / エコヘルス / 社会開発の影響 / 質的研究 / 食物選択動機 / 教員養成機関 / 国際学校保健 / 若者 |
研究実績の概要 |
本年度は,COVID-19のパンデミックにより渡航ができなかった.そのため,国内でできること並びにインターネットを使って行える調査研究の準備をした.具体的には,ラオスを含む国際学校保健に関するレビュー論文の投稿・出版と,ラオスの4つの大学の大学生57名を対象に行ったラオスの社会開発に関する質的調査の分析,ラオスの大学生を対象にした食事選択行動に関する質問紙の開発,エコヘルス教育の実施と評価研究を行った.基本属性は,女性32人,男性25人,エスニシティは低地ラオが36人,Keummou6人,Makong5人,その他10人であった.経済的困難さは普通が20人で,大なり小なり困難な者が33人と多かった. 若者の社会開発に対する質問(What do you think about social and economic development in Laos?)に対する回答を分析すると754のコードが抽出され,さらに15のカテゴリーに集約した.それらは良い点と問題点に分かれており,良い点では,社会的安定,人口増加,グローバル経済と支援,雇用と収入,生活水準の向上,貧困の減少,社会インフラと技術の発展があげられていた.一方,社会的問題点では,伝統的な生活の変容,社会変動への適応の困難さ,自然災害,ソーシャルメディアの不適切な利用,不健康な生活,現代的な環境問題の発生,グローバリゼーションの負の影響,社会格差・地域格差の拡大であった. ラオスの若者における食物選択動機調査票の開発では,前年度までに得られた知見に基づき検討を加え,オリジナルの英語版FCQに修正を加えたラオス語版調査票を完成させた.2021年度に調査を実施できるようカウンターパートと調整を行った. また,ラオスの教員養成機関9か所で,エコヘルス教育(口腔保健,防災,気候変動,寄生虫)に関するKAP調査を企画・実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は,COVID-19のパンデミックによりラオスへの渡航ができなかった.そのため,国内でできる文献検討,すでに調査したデータの分析,並びにインターネットを使って行える調査研究の準備にとどまった.
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今後の研究の推進方策 |
インターネットの会議用ツールで,会議を開催したり,調査実施の調整をしたりできることが分かった.したがって,感染状況が収束せず,2021年度も渡航できない場合は,会議ツールで現地のカウンターパートに調査実施を依頼して,データの収集を行う. 食物選択動機の調査については,2020年度の12月からメール等でラオス側の研究協力者と調査準備を進めてきており,今年度中の実施を見込んでいる. また,我々が開発したエコヘルスのテキストに基づき,4つのトピックについて授業を実施し評価をする計画も進んでおり,実施を見込んでいる. さらに,すでに収集したデータの分析を行い,論文の執筆を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
日本,ラオスをはじめ世界的にCOVID-19の感染が拡大したため,渡航ができなかった.また,ラオスでは入出国が規制された.本研究は,ラオスに渡航して現地調査を実施することが特徴であり,それがzoomによるリモート会議になり,準備と調査実施が十分できなかった.調査対象の教員養成機関の自粛により,調査が困難であった. 2021年度の使用計画は,まず食物選択動機の調査については,2020年度の12月からメール等でラオス側の研究協力者と調査準備を進めてきており,今年度中の実施を見込んでいる. また,エコヘルスのテキストに基づく授業研究の実施も計画している.これらの調査研究のために,ラオスの研究協力者への謝金と調査実施の費用,調査票の翻訳と集計の費用に使用する予定である. さらに,すでに収集したデータの分析を行い,論文の執筆のための,英文校閲、投稿料にも使用する予定である.
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