研究課題/領域番号 |
18K19675
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩隈 美穂 京都大学, 医学研究科, 准教授 (60512481)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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キーワード | 障がい者 / 高齢化 / 混合研究 |
研究実績の概要 |
当該年度において研究結果を学会招待シンポジストとして発表、現在原著論文2本を投稿中である(そのうち1本は、英雑誌)。 シンポジウムでは、これまでの調査結果から量的研究結果に加えて、アンケート自由記載の質的分析結果から、「同質性x異質性」「二次障害」などの抽出されたテーマを中心に報告し、障害者との異質性だけでなく「(あたり前だけど忘れがちな)同質性」も紹介した。 量的研究(現在投稿中)の一部であるJPCATスコアの健常者と障碍者の比較からは、共変量を調整した両群の平均差は、統計的差がでたのは、6つのドメインのうち(近接性、継続性、協調性、包括性(必要であれば受けられるサービス、実際に受けたことがあるサービス)、地域指向性)非障がい者のほうが有意に得点が高かったのは、継続性、包括性(必要な時に利用できるサービス)、地域指向性、そして総合点であった。つまりほかのスコアは統計的な有意を非障がい者との比較に認めなかった。 知恵袋の計量テキスト分析(現在投稿中)からわかったことは、インターネットコミュニティは、これまでは対面では知り合うことが難しかった患者や障害・疾患に関する悩みを抱える人たちのコミュニケーションをテキストベースでかつ非限定的で緩やかなネットワークの特長によって劇的に促進させ変化させ、具体的な情報収集だけでなく、感情サポートを目的とした投稿も多くあり、その内容は大きく分けて【妊娠、子育て、親に対する気持ち】、【手帳申請手続きや取得による助成、年金に係る情報収取)】、【受診の判断、完治時期や診断による新しい悩み】、【障害(者)をめぐる職場での人間関係についての悩み】、【事故後の後遺症や保険手続きに係る情報収取】といった情報ニーズがあることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
Yahoo知恵袋データ仕分け作業を、障がい者の就労支援のためいくつかの就労継続支援作業所の障がい当事者たちにお願いしている。以前は6事業所で作業に取り組んでもらっていたが、質問の仕分けの際、感情移入し何か月もかかる作業は手伝えないとの連絡から、6事業所から3事業所に減らし、また作業者の負担を減らすため余裕をもたせてペースを落として行っているため、当初の予定より時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
「Yahoo!知恵袋データ 第3版」は約263万件のデータを入手し、2018年12月10日~2019年3月末日までのデータから、「障害」に関する質問を切り出し、現在、開始当初はなかった「発達障害のカテゴリーを当事者と家族知人に分ける」を加えた仕分けを行っている。 5月中に仕訳は終了予定で、その後KHコーダーによる計量テキスト分析を開始し、研究結果の報告をまずは学会発表で行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画時に海外での発表を予定していたが、COVID-19の影響でキャンセルになったため、学会参加の予算が未使用となった。
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