研究実績の概要 |
当該年度において研究結果を学会発表、その後論文化をおこなった。加えて日本作業療法学会『SDGsなまちづくり~Share, Discover and Greet with smile を楽しもう!』では「高齢化とまちづくり」についてパネリストとして、NHKテレビ番組「バリバラ」で「障害者の高齢化」を取り上げたとき研究結果の一部を紹介するため登壇・出演した。 量的調査では、800人中638人(86%)が,「体についての悩み」があると回答している。半数以上(353名)が「しびれ・慢性的な痛み」「排便」(377名)に悩んでおり、次に多かったのが「排尿」(272名)だった。次に「行政に期待すること」では,社会福祉サービス(438名)、経済的保障(288名)、リハサービス(267名)が上位3つとして挙げられていた。また「身体の悩み」の有無と3つの時間軸(現在の年齢、受傷した年代、受傷期間)との関連をみた調査では、有効回答数は800人で、回答者背景は、性別は男性が641名、女性が150名であった。全体の平均年齢は59.1歳、受傷時年齢で一番多かったのが、20代の242人(33.2%)、次に10代で150人(20.5%)であった。受傷期間で一番多かったのが、20~29年間で167人(24.5%)、最長が69年、平均期間が27.4年であった。「現在の年齢」「受傷した年代」「受傷期間」と「身体の悩みの有無」の関連についてカイ二乗検定を行ったところ、それぞれp=0.27、p=0.093、p=0.22で有意な偏りはなかった。 質的調査(聞き取り)では、【高齢障害者と障害高齢者】【エイジングインプレイスの先駆者としての障害高齢者】【地域で暮らす】【障害と長く付き合う:実践知】【高齢者・医療者へのメッセージ】【加齢による変化と気づき】などのテーマが抽出された。
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