抗体を用いて下水からウイルスを選択的に濃縮する技術の開発を目的とした。バクテリオファージMS2を用いて検討を行った。培養したMS2を抗MS2抗体を添加して免疫沈降した。回収したMS2量を逆転写-qPCRによって定量した。その結果、抗体の投入量に依存して、MS2の回収量が増加した。抗MS2抗体はファージQβは免疫沈降させないことを確認した。さらに、免疫沈降によって培養可能なMS2を回収できていることを培養法によって確認した。抗体濃縮によって下水中のノロウイルスも濃縮できることを逆転写-qPCRで確認した。これらの結果から、免疫沈降で感染性のあるウイルスが選択的に濃縮可能である可能性を実証した。
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