改革前に比較して改革後のベッドサイド滞在時間が有意に増加し病棟全体では61.6分であった。日本は、分娩時の助産師の配置基準が決められていないため、配置人数を論ずることは難しいが、先行研究を実施したO病院の助産師数と比較する。O病院は年間分娩数約400例に対し、助産師は15名、看護師は17名配置。M病院が分娩数367件の時、助産師数は17から15人であった。O病院とM病院の分娩数に対する助産師の配置はほぼ同様の割合であった。分娩を制限した211件の時に助産師は5人であった。分娩数が多かった時の配置と比較すると明らかに少なく、同割合で配置するなら9.7人は必要となる。医療事故を起こさないために、改革前は病棟稼働率を61.5%、助産師を増員した改革後には約76%に増加させた。分娩数は改革前、一か月平均17.44件、改革後、一か月平均35件に増加した。 MBA教育との関連(経営面の評価) 調査病棟の稼働率は61.5%であり、42床を満床と考えると、患者を約16人減らしている。M病院の一日単価平均は52232円であり16×52232円=931712円収入の可能性を低くしていた。看護職員を4人増員した改革後、稼働率は76%であった。患者6人分増加である。6人分×52232円は313392円。一日当たり増加である。概要を計算すると入院単価50000円、50床、薬剤費比率30%下げた病床利用率が5ポイントとすると約3000万円となる。3人程度看護師を増やしても見合う可能性は高い。5人増やすと収益性は低下すると思われる。したがって、削減可能な業務の効率化を検討し、時には意図的に稼働率を下げることが安全性を担保するのに必要という事が考えられる。これらをPorterの価値のフレームにより分析することができると思われる。このような流れの中で、活動とコスト分析の話の関連性に迫ることができる。
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