研究実績の概要 |
日本赤十字社血液事業本部から提供された、2016年度のべ4,788,243人、2017年度のべ4,728,837人の献血者の資料を基に、1年間の献血行動を7パターン(献血0回、200ML全血のみ実施、400ML全血1回、400ML献血2回以上、成分献血1回、成分献血2回以上、400ML全血と成分献血を各1回以上)に分けて、性(2区分)・年齢(54区分)・地域ブロック(8区分)ごとに献血行動の推移確率を算出し、マルコフモデルに基づき2016-2031年の献血者数の将来推計を行った。さらに性・年齢・地域ブロック別年平均献血回数を乗じて、のべ献血者数の推計を行った。 2016年時点の献血者数は4,954,308人であり、男女別にみると男性3,585,905人、女性1,368,403人、年齢階級別にみると10歳代262,668人、20歳代804,979人、30歳代923,958人、40歳代1,445,383人、50歳代1,095,154人、60歳代422,166であった。 のべ献血者数は2016年4,954,308人から毎年微減傾向が続き2027年に推定4,366,612人、2031年に推定4,171,709人と推定された。 男女、年齢階級別にみると男女ともに減少すると推定され(2031年/2016年比 男性0.85、女性0.81)、年齢階級別では10-40歳代で減少傾向(同 10歳代0.83、20歳代0.81、30歳代0.72、40歳代0.62)、60歳代では増加傾向(同1.26)、50歳代では増加から減少に転じると推定された(同1.11)。2020年代を通して40歳代の本数減少が大きく、総本数の減少に影響していると推測される。また、2030年代以降の総本数の大幅な減少は50歳代の本数が減少に転じることが要因であると考えられ、これは50歳代の年齢別人口自体が2020年代後半に減少に転じることと一致するため、その影響であると推測される。また20歳代・30歳代は今後20-40年献血可能年齢であるが、この年代の献血本数は、少子化の影響もあり減少傾向が今後も続くと推定された。
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